①戦略立案

起業後に株主(取締役)が辞める場合の株式手続き~未上場企業編

共同創業のような形で株式を分けて起業したものの、折り合いが悪くなるなどの理由で株式を持ったまま辞める…そんなケースは少なくありません。

しかし、そもそも取締役クラスの役職だった場合、「辞める」と言ったところできれいに辞めることができるのでしょうか。結論から言うと、いくつかの手続きを行う必要があります。

では、実際にどんな手続が必要になるのでしょうか。今回は株式公開をしていない未上場企業のケースについて、お伝えします。

登場人物紹介

きこう
きこう
共同創業で起業したが、資金繰りが悪いときは取締役が辞める可能性があり、戦々恐々としていた。その経験から取締役の辞任リスクを考え、調査している。
起業したい人
起業したい人
いつも時間のことばかり考えているが、時間がなさすぎて新しい情報が入ってこず、困っている。共同創業を試みているが、そのリスクについて認識できていない。

取締役っていつでも辞められるの?

起業したい人
起業したい人
起業する時の仲間探しをしていたんだけど、取締役として一緒にやってくれそうな人を見つけることができたんだ。
きこう
きこう
いいね!GoogleもFacebookもAppleも、名だたる成功企業は共同創業してるからね。ただ一方で、共同創業には別れるリスクもあるってことには注意しないとだね。
起業したい人
起業したい人
ああ…。一緒に仕事してみたら折り合いが悪くて創業メンバーが抜けるって話、たまに聞くよね。Appleのスティーブ・ジョブズも一度代表取締役の座を追われてるし。でも、例えば取締役って普通の社員みたいに「辞めます」で辞めるってことできないの?
きこう
きこう
実は辞める意思表示でいつでも辞めることは可能なんだけど、登記の問題とか株式の問題があるから、結果的にいくつか手続きが必要になるケースが多い。
起業したい人
起業したい人
将来の参考までに、どんな手続きが必要なのか教えて欲しいな。
きこう
きこう
わかった!僕は上場経験がないから、非上場企業(株式公開されていない企業)の例をお話しするね。

取締役が辞める際に生じる株式の問題

起業したい人
起業したい人
そういえば、取締役って会社の株式を持ってる、いわゆる株主なわけだよね?辞めるとなったらその株って自動的に戻ってきたりするの?
きこう
きこう
いや、戻ってこない。株式を持ったまま辞職することになる。社外取締役として関わりが続くなら良いけど、関わりがなくなるのであれば厄介。株式の譲渡について取り決めが必要になってくるね。
起業したい人
起業したい人
取り決めってどんなパターンが考えられるの?
きこう
きこう
この4パターンが想定できるよ。

・株式に譲渡制限がなく、株の買い手がいる場合
・株式に譲渡制限がなく、株の買い手がいない場合
・株式に譲渡制限があり、株の買い手がいる場合
・株式に譲渡制限があり、株の買い手がいない場合

起業したい人
起業したい人
譲渡制限って何?
きこう
きこう
会社にとって望ましくない人に株式が渡らないように、取締役会、または株主総会で承認されないと株式が譲渡できない」という取り決めのことだよ。
起業したい人
起業したい人
これって口約束でもいいの?
きこう
きこう
いや、会社の定款っていうルールブックみたいなものに、「株式の譲渡は取締役会(株主総会)の承認が必要である」って文言を付け加える必要がある。
起業したい人
起業したい人
定款っていつでも変えられるの?何か手続きが必要なの?
きこう
きこう
取締役構成の変更や株式に関する変更が起きた場合は、登記の再申請が必要なんだ。その時に3万円程度の事務手数料がかかってしまう。
起業したい人
起業したい人
なるほど、辞める方はいいけど、辞められる方は色々と大変なんだなぁ。
きこう
きこう
以上の内容を踏まえた上で、4パターンについての説明をしていくよ。

株式譲渡に関する4パターンを解説

株式に譲渡制限がなく、株の買い手がいる場合

きこう
きこう
これは、以下の3ステップだね。

①辞める取締役が買い手に株を譲渡する
②辞める取締役が株を譲渡したから名義を書き換えるように報告する
③会社側は株主の名義を変更する

起業したい人
起業したい人
譲渡する時の金額って、出資金を割ってはいけないとか、何かルールがあるの?
きこう
きこう
いや、ない。0円でも譲渡可能なんだ。それは、売主と買主の取り決め次第だね。何せ制限がついてなくて自由に売買できるわけだから。

株式に譲渡制限がなく、株の買い手がいない場合

きこう
きこう
買い手がいないということは、基本的に持ち続けなければいけないね。
起業したい人
起業したい人
え、でもどうしても譲渡したい場合はどうすればいいんだろう。
きこう
きこう
会社側に引き取ってもらえるよう交渉するか、買い取ってくれる第三者を見つけてもらうくらいだろうね。基本的にいつまでも持たれていると困るのは会社だから、会社が持っていってくれると思うけど。
起業したい人
起業したい人
まあ、買取金額に納得がいかないとかはありそうだよね。そこは交渉次第か…。

株式に譲渡制限があり、株の買い手がいる場合

きこう
きこう
これは、以下の4ステップだね。

①辞める取締役が譲渡承認請求を会社に送付する
②会社が2週間以内に承認可否を判断する
③(承認の場合)譲渡の手続きを行う
(非承認の場合)代わりに会社に指定された相手に譲渡の手続きを行う
④会社側は株主の名義を変更する

起業したい人
起業したい人
2週間以内に承認可否が判断されなかったり、代わりの指定相手がいなかったらどうなるの?
きこう
きこう
取締役の請求は自動的に承認になる。だから、会社側も返事を保留しておくことはできないんだよね。
起業したい人
起業したい人
例えば辞める取締役は元々1株100円で売ろうと思ってたのに、会社に否認されて他の人に1円で売れって言われたら不条理だよね?これってまかり通るの?
きこう
きこう
金額に関しては両者の合意が必要だから、会社側が一方的に押し付けることはできない。どうしても食い違う場合は裁判所や公認会計士のような第三者機関に入ってもらって、株の価値を客観的に試算してもらう。
起業したい人
起業したい人
第三者機関まで入れると大変なことになりそうだから、できれば歩み寄って決めたいところだね…。

株式に譲渡制限があり、株の買い手がいない場合

起業したい人
起業したい人
さっきの話から考えると、買い手がいないのだから持ち続けなければいけないよね。
きこう
きこう
そうだね。しかも譲渡制限がある未公開株なんて流通性が低いし譲渡の際の手続きも面倒だから、よほどの高配当でも出ない限り、買い取ってくれる人って滅多にいないよね。
起業したい人
起業したい人
こういう場合はやっぱり、会社に引き取ってもらえないか交渉すべきなのかな。
きこう
きこう
それが一番王道だと思う。わけの分からない人を見つけてきても承認はされないだろうから時間の無駄だし。

取締役が辞める際に効力を発揮する創業者間株主契約のすすめ

きこう
きこう
株式譲渡に関するトラブルを防ぐために、共同創業者に関しては「創業者間株主契約」を結ぶことが推奨されているよ。
起業したい人
起業したい人
もし共同創業者が辞めた場合に、株式をどうするかって予め決めておくってことだね。どんな内容を盛り込むといいの?
きこう
きこう
よく言われるのはこの3つだね。

・譲渡制限に関する事項
→他の創業者や取締役メンバーが指定する人に株式を渡すため
・競業避止に関する事項
→会社の仕組みを使って競合となり、利益を奪いに来る可能性をなくすため
・株式の強制売却に関する事項
→M&Aなどで買取側が100%の株式を取得したいケースもあるため

起業したい人
起業したい人
ここには書いてないけど、売却金額についても予め合意しておくとよさそうだね。
きこう
きこう
この3つはあくまで汎用性が高いものだから、個々の状況に応じて金額とかその他の取り決めをしてもいいと思うよ。
起業したい人
起業したい人
これは登記の変更とか定款には必要なの?
きこう
きこう
いや、あくまで契約書を作成しておいて、押印したものがあればそれが証拠になるからOK。フォーマットはインターネットに転がってるし、特に弁護士とかを通す必要もない。

株式に関する取り決めは明確にし、トラブルを防止しよう

きこう
きこう
起業時にどんなにビジョンが一致して盛り上がっていたとしても、会社の方向転換や価値観の不一致なんかで別れが来るなんてよく聞く話。せめて後を濁さないように、きれいに別れられるかは大切なことの1つだね。
起業したい人
起業したい人
確かに、これから起業しようって舞い上がってるけど、そういう足元を見ることも大切だよね。言い出しにくいけど起業する時に必ず結んでおくことにするよ。
きこう
きこう
せめて少しでも共同創業者が辞めるリスクを減らすために、共同創業者にはどんな人を選ぶと良いかも記事にしてみたから、こちらも参考までに!
起業における失敗しない共同創業者の見つけ方を3つの視点で解説独立起業を考えている方、1人でやろうとしていませんか? 人間が1人でできることには限界がありますし、得意不得意がどうしても出てきます。 ...
あなたのマーケティング課題を「レンタルCMO」が解決します

「広告出稿」「SEO」「LP改善」「動画のストーリー構築」「デザインラフ案の設計」…

現代のビジネスではマーケティング領域でやることが多く、これらをしっかり押さえないと、競合負けしてしまいます。

しかし、「マーケティングって難しそう…」「何をどうすればわからない…」という方も少なくない。

そんなあなたに向けて、マーケティングについて気軽に相談でき、マーケティングの最新情報まとめも送られてくる、便利なLINE@(@dir8228j)を用意しました。

ぜひ、ご登録ください!

友だち追加