①戦略立案

【検証】ABテストの正答率をWEBマーケターと客の鑑で競った結果

WEBデザインやキャッチコピーに正解はありません。どの企業や個人も日夜必死に研究を繰り返し、少しでも成約率が上がるデザインを生み出し続けています。これが一般的に「ABテスト」と呼ばれるものです。

しかし、テストには時間がかかりますし、せっかく作ったデザインで成果が下がってしまっては元も子もありませんよね。できるだけ精度の高いデザインを最初から考えておきたいところです。

そこで、この2人のゲストに協力してもらって、WEBデザインに関する、ある実験をしてみることにしました。

登場人物紹介

マーケター
マーケター
数百のホームページを改善し、成果を上げてきたWEBマーケター。最新の書籍も網羅し、知見を深めることに余念がない。
客の鑑
客の鑑
広告を見て衝動買いは当たり前の、典型的な客の鑑。WEBデザインはズブの素人だが、服・携帯品など身の回りのものはWEBで申し込むことがほとんど。

勝負の内容とルール

お題

WEBマーケターと客の鑑、成果の上がるホームページ(WEBデザイン)を正しく見分けられるのはどっち?

使用するのは書籍「2万回のA/Bテストから分かった支持されるWebデザイン事例集」です。

大手企業のホームページの改善事例が35個載っています。各ページには元々のイマイチなWEBデザインと、改善後のデザインAとBがそれぞれあり…

「AとB、申込みが増えたのはどっち?」

という問題形式になっています。ページをめくるとその答えと、具体的にどういう意図で改善を行ったのかの解説が載っています。

勝負は以下のステップで行います。

①お題となるホームページのデザインを見る
②AとBのうち成約率が上がったと思うものを「せーの」で指さしする
③なぜそう思ったのか、理由を伝える
④答えを確認し、答えも理由も合っていれば○、答えが間違っていれば☓とする
⑤○の数が多いほうが勝利

例えば…これは書籍の表紙に載っているアメックスのホームページの改善事例です。どちらが改善効果が高かったか、予想してみてくださいね。

A:初年度無料0円を強く推したデザイン
B:永久不滅ポイントを強く推したデザイン

せーの!

マーケター
マーケター
Aのデザイン!
客の鑑
客の鑑
Aのデザイン!

どうして?

マーケター
マーケター
やっぱり、0円というのはマーケティング的に強い訴求ポイントになるから、これが分かりやすい方がいいんじゃないかな。
客の鑑
客の鑑
私、「永久不滅ポイント」って言われても何のことだかすぐ分からないし、0円の方が魅力的に感じる。

理由はそれだけでいいかな?では、正解を発表します。
※ネタバレを含みます。

正解は

A:初年度無料0円を強く推したデザイン
B:永久不滅ポイントを強く推したデザイン(改善率134%)

マーケター
マーケター
うわぁ~!間違えた…。
客の鑑
客の鑑
ええ~。絶対0円の方が引きが強いと思ったのに…。

では、解説を見ていきましょう。
※記載されている内容を要約しています。

解説

ホームページでは最初に見える画面でユーザーの意思決定を促すために、何をどういうメッセージで訴求するのかが大切です。最初に見た瞬間に複数のメッセージがごちゃっと並んでいると、全体の訴求が弱くなってしまいます。B案では「永久不滅ポイント」を第一優先とし、第二優先をアクションボタンとその後押しとなる「年会費無料」とすることで、ユーザーを上手く誘導し、高い結果を叩き出しました。

というわけで、最初の結果はこうなりました。

マーケター 客の鑑
第1問
第2問

これを、問題の数だけ繰り返していきます。さて、勝ったのはどちらでしょうか?

WEBデザイン改善の着眼点

さて、いきなり結果を発表しても面白くないので、このA/Bテストが主にどのような視点で行われているかを解説します。改善のポイントは大きく3つです。

①入口=最初に見える画面
②出口=アクションボタンやその周辺
③補足=スクロール後の画面

①入口=最初に見える画面

これは、いわゆる「ファーストビュー」と呼ばれるものです。

ファーストビューは、最初に目にとまるエリアである「アイキャッチ」、アイキャッチの中でも強く訴求したい内容である「キャッチコピー」で構成されています。

ファーストビューが弱いと、せっかくホームページに入ってきてもすぐ離脱されてしまいます。実際に、全体の60%もの人がファーストビューを見て3秒以内に離脱するというケースは、Webの世界では珍しくありません。

ユーザーが求める情報を適切に配置することで、離脱を防ぐというのがこの部分の役割です。

②出口=アクションボタンとその周辺

さて、ファーストビューで離脱を防いだところで、何をすればいいのかが分からなければ、ユーザーは離脱してしまいます。次にアクションして欲しいところへの導線を入れることがポイントとなります。

アクションボタンは「ユーザーが迷わないような配置やデザイン」「不安要素の排除となる情報の設置」「ボタンそのもののキャッチコピー」の3つに留意する必要があります。

ユーザーは基本的に意思決定をしたくない生き物です。なぜなら意思決定するには色々考える必要があり、パワーが要るからです。しかし、意思決定のパワーをこちらから取り除いてあげると、アクションを起こすモチベーションが湧いてきます。

意思決定のハードルを下げることがこの部分の役割です。

③補足=スクロール後の画面

ファーストビューとアクションボタンだけで意思決定をする人もいますが、そうでない人もいますよね。ぐるぐるとサイトを回って情報収集をすることも多いはずです。

そこで、スクロール後の画面で「ユーザーが意思決定するために必要な情報」を「最適な順番」で提供し、ファーストビューでアクションしなかった人も取り込む必要があります。

ファーストビューでは情報が足りない人の離脱を下げ、アクションを促すことがこの部分の役割です。

WEBデザインのポイントを押さえていたのは…?

さて、上記の点も踏まえた上での結果発表です。

マーケター 客の鑑
正解数 26/35 31/35
正答率 74.28% 88.57%

なんと、WEBの知識がまったくない客の鑑が勝利しました!

客の鑑
客の鑑
やったね!感覚の勝利!
マーケター
マーケター
理論と経験を駆使したのに…。悔しい!

しかも、客の鑑はなぜ成果が上がったのかに対し、ほとんど模範解答に近い意見を出していました。マーケターも正解した問題についてはポイントを押さえていましたが、客の鑑ほど深く言い切れないこともあり。

マーケター
マーケター
僕がAを選んで、客の鑑さんがBを選んだ時に、客の鑑さんの意見を聞いて「こりゃBが正解だな」って思うことがよくあったんですよね…。
客の鑑
客の鑑
でも普段、こういうマーケティングにしてやられてるのかと思うと複雑…。

どんなに知見を深めても、WEBデザインの成果は顧客目線にあり

結果について感想を話していた時に、興味深いフレーズが出てきました。

客の鑑
客の鑑
私は出てきたものに対して「こういうのが欲しかった!」ってのは分かるんですが、いざ自分でそのWEBデザインを作れって言われても、ぱっと思い浮かばないんですよね。
マーケター
マーケター
今回の経験で、どんなに知見を深めても、仕掛ける側に回ってる時点で真の顧客目線になるのは難しいんだなと実感しました。今までの経験やセオリーに流されすぎず、生の声をもっと聞いていきたい。

結局、客の鑑とマーケターのどちらが優れてるってことはないんですね。

顧客は自分の欲しいものが分からない。だからそれを表現できるマーケターやクリエイターがこれは欲しいだろうと思うものを当てていくしかない。でも、やみくもに当てていくと本質を外しかねないから、両者が協力して良いものを生み出していくことが大切だと。

現代は技術発展により改善のスピードがますます重要になってきています。しかし、スピードや効率ばかりを気にすると、自分・自社本位となり、顧客を失います。

遠回りしてでも、目先の成果につながらなかったとしても、淡々と顧客の声を形にしていく重要性を今回の検証から学んだ気がします。
※もちろん、これはいち検証であって、実はマーケターの方が全体的に正答率が高くなるという結果になってもおかしくないとは思います。

自分の顧客感覚、マーケター感覚を試してみたい方、ぜひ書籍「2万回のA/Bテストから分かった支持されるWebデザイン事例集」で遊んでみてください!

顧客の声を聞くためによく行われている「ユーザーテスト」についても記事を書いています。こちらもぜひご覧ください。

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